アルバム批評 kikUUiki

●全体的な評価

ぼくはこのアルバムが1番すきです。なぜなら、サカナクションの真髄を見た気がするからだ。最高傑作だと、おもうけど、みんなは、なにが、いちばん、すき、か、な、、、、、、、、、、、

このアルバムは「アルクアラウンド」や「目が明く藍色」を収録した名曲揃いのすってきーなあるびゃむなのやぁ。

上野は建前である。空気感がとても統一されていて聞いていてたのしい。そしてとってもドープでディープである。一貫して海の中を思わせるサウンドや曲名である。だが、アルバムタイトルを思い出してほしい。「kikUUiki」すなわち「汽空域」である。汽水域の空間バージョンである。水中、それは苦しい。しかし、空中、それはありふれている。どうして、海の中なのにタイトルは空中???と、小学生のガキンチョのぼくは悩むわけである。中学生を通過駅として高校生になりかけて僕は初めて「ァ、そぅぃぅことかぁゃ」と気づくのだ。それも自分の力ではなく、WOWと驚いたおかげである。

さて、どうしてか。またあとで、わかるとおもう。


●楽曲ごとの評価

1.intro=汽空域

ジャンルは多分experimentalということになるのだろう。

ハァ、とため息をついた音。きっとこの録音の最中も、空気は絶えず流動する。そして、息を吐いてるということは、まだ、海の外。

さて、進水式をやろう、と一郎が声をかけます。そんな、ため息の音。いや、あるいは船の汽笛?

どっちみち、汽空域への旅です。潮へ乗り出すサカナクション御一行と、その群れ。


2.潮

モッチーと一郎の共作らしい。へぇ、と、僕。

スローテンポで着々と、なんだか盈ち虧けを繰り返す「潮(まさに!)」のように鳴る逆再生のギターの音。この曲を聴いているとなんだか嫌にかっちり決まるので、僕は自棄になってしまって正面に掌を見せびらかしながらそれを「掟!掟!」とワイパーのように振る作業にもっぱら徹してしまう。それくらい、うまい具合に「ウゲーと気持ち悪い」曲である。あとドラムとシンセが激しいのもキモいポイント。でも聴いていてたのしい。たのしい曲は、好きよ。


3.YES NO

和のイメージがぽっと花を咲かす曲。拍子木のリズムがささくれ立つ中尺八っぽい音がぺっぺろぺーと響く。しかしある一箇所で突然くぐもっていた音がバーっと鮮明なパンダを騒がせることになる。この差がたのしい。

そして冒頭のフレーズが汽空域に飛び出して聡明に鳴ったとき「ワー」となる感じがいーね。

濡れそぼつ音の壁で出来ているようなシンセサイザーもアクセントになって、なんだか「和よーーーーー」と公言して曲は始まったけれど後々になって「倭シんセーーーーー」とか訳の分からないことを言い始めるんだけど、それがまた味なのだ、というような気分だ。


4.アルクアラウンド

でた。みんなしってるアルクアラウンド。「歩く」は英語でwalk。walkとaroundでwalk around。つまり散歩です。散歩を回りくどく言い回すとこうなるんですね。みんなもお出かけするときに「なにしに行くの?」と聞かれたら「アルクアラウンド」と粋に答えてごらんなさい。多分、なぐられるから。でもそれは愛の鞭だ我慢しな。

山口一郎本人曰く、この曲は「どんなBPMの曲からでも繋げられるのでライブで重宝しているんだヨ」ということです。冒頭のユーズフル・もわもわ・シンセを聴くと魚民はみなわぁっと盛り上がる!!というイメージ。そして「なりにけり」とか言っている。「覚えたての道」のBメロはさぞ楽しそうに。そしてライブの時だとICHIROは「Ikoohhhhhh!!!!!」といった正体不明の叫びをサビ前にて披露。最初は「いくぞー」だと思っていたが最近崩れすぎている。もはや一種のルーティンなのかもしれん。

そして究極のサビが到来。「この曲でサカナクションの名前を世に出してくれた」と一郎くんが語る意味がわかる、そんな感ぢ。


5.Klee

サカナクションのロック!!

ライブでやってるのをサカナクション知らずの人が聞いたら「エー、なんかお洒落なのかと思ったらバリバリのそっち系かー、クラブミュージックが聴きたいから来たのにー」とか言いそうだ。うるさい、こういう曲の方が珍しいんだぞ。魚民は聞けただけで大喜びだぞ。それをなんだ、そっち系とかどっち系だよ。どっち?北東か?南南東か?

サビの盛り上げ方にジブ冬的定評がある。中間部もアジカンみがある。「ほっ ほっ ホッ ホッ ホッ」とか言ってたらもう完璧に後藤の所業かと思われるぞ。きっとモトハルくんとエジマくんもこの曲は目立つから好きだろうと勝手な解釈をしてみる。雄々しい。


6. 21.1

かんかん。

ここで海を潜る魚・クションは深海へ。打ち切れる不惑!打ち切れた凧糸!打・ち・き・れ・な・い・わ・た・しーーー!!!!!!!!

タイトルの由来はversion21.1というイベントらしいぞ。てっきり●●○・○ということで(●が2のぶぶん、○がそれぞれ1)間の点がサカナクションで、○の浅い海から●の深い海へと冒険する様子を言ってるのかとおもだ。


7.アンダー

サカナクションの旅の舞台は深海へ。まさにアンダー。擬音として文字に起こすなら「ぶゃん ぶゃん」といったところだろうか。

揺れ動きつつ確固たる情熱を含んだボイスが癖になる。一郎特有の「静かに始まるけどテンションが後で59倍くらいになる」がMONO NO MIGOTOにきら光る。こいつを一郎節と呼んでやろう。

小さく小刻みにリズムをとりながら、ドリドリと語りかけるような歌はWooと言わ猿を得ないわ。

ラストの「アンダーー、アンダーーアーラーララーラーーー!!!」はみんなで輪唱したいところ。輪唱じゃダメか。合唱、まぁ、なんでもいい、ミンナデウタイタイね。


8.シーラカンスと僕

PVがでていないので一応「隠れ名曲」になるのかしら。魚民の中でも評価が高い曲。

「眠れずにテレビをつけたら夜に見たニュースと同じで寂しくなったんだ」って、あーなるほどね、夜中にニュース見てると朝のニュースのインタビュー動画使いまわしてることあるよね、わかるわかる、笑笑、というコメディーソング(そう捉えているやつは地球上でごく僅かだろう。僕だって冗談のつもりだ)。

最後の流れるようなチムニーっぷりは確かに名曲。気品が、漂ってる。

アンダーと似ており、一郎節が光っている。ピカピカと。化けろ、化けろ、と夜釣り、違う、ナイトフィッシングイズグッドの最中に念を送っているのだろう。


9.明日から

ロックだがメリハリのあるダンスミュージックにも思えるシャープな曲。上手い具合に噛み合ったのを聞くと、サッカーの授業の時にゴールを決めてみんなに祝福された時のような爽快感がパーマをかけて訪れる。

茶道の先生にも不思議と言わしめた、曲のシャープさにシンシロして絶望的な歌詞も魅力。ライブでやるといいなとジブ冬は切に願っている。一郎さんどうかやってください。この曲とフクロウと夜の東側(開花も)は是非ライブで聴きたいのです。欲張りだな。


10.表参道26時

フジファブリックは真夜中2時、BUMP OF CHICKENは午前2時、サカナクションは26時」という法則がある。この曲が由来だろう。ちなみにフジファブリックの真夜中2時は「銀河」、BUMP OF CHICKENは「天体観測」からきているものと思う。平仮名や片仮名、アルファベットを没収されたようだ。

サビが女性の高い裏声で歌われている。可愛い曲かと思ったが、「明日から」からの流れを引き継ぐロックで、ライブで盛り上がる曲。だとーもう。昔一郎とエジーがカラオケに行く、みたいなコーナーでこの女性パートをエジーがやらされていた。一郎は一郎パートのみ。楽しそうでよかった。

小話が多く行数が稼げる曲ですね。


11.壁

うわ、なにこれ、と今までの流れをぶった切って突然しんみりした曲。というかなんか不穏でセンチメンタルで今にも一郎が家出するんぢゃないか、とまで考えてしまう鬱な曲。実際自殺衝動を歌った曲のようで、ライブの時この曲を一切明かりを当てず演奏したのをみた時は暗澹とした気分になった。

まあ、初めて聴く時ははじめの方のなんか繊細な美しさに「オ、名曲?」と思わせるのだが、後半の方のプログレ?っぽい部分を聴くと「オオ…」となる、なんか二面性の強い怖ーい、曲。サカナクションの怖い曲といえばこれ。これか、スプーンと汗か、RL(時報の音が怖い人には怖い)だらうな。


12.目が明く藍色

解説不要。とにかく聴いてみてください。圧巻のラスト。


そして、この曲の本質というか。アルバム名の由来(あくまで考察)もこの曲にある気がするのです。アルバムジャケもPVから来てる品。

Megaakuaiiro、とローマ字で書くとこうなるわけ。そこから、あなた=You=Uを抜くとどうなるか、ちゅーと、Megaakaiiro(目が赤い色)となる。これは中間部最後の歌詞が「メガアクアイイロ」じゃなくて、「メガアカイイロ」になっている、というとこだけじゃなくて、あなたがいないと目が赤くなる=充血=泣くぞ、というメッセージなんだろーな、という話だった。

また、この曲の最後のほーに、「君の声を聴く息を吸って」の「聴く息」というところが汽空域の由来だ、チューことにほんとに最近気付いた。ほんまや、びっくりやー。べ、ろーー。タイトルのUがでっかかったのも、こういうことが重なってたんやナァァ感心感心。

本当にいろんな考察も飛び交ってるけど、それはあくまで人それぞれだし、別に僕の考えを押し付けられてそれを無理やり食む必要はナーイ。歌詞を自分で読んで自分で解釈しておやりよ。


総評

かっこよすぎ名盤だろ