敬具が大きい ①
刹那、私は夢現を泳いでいた。
友人は声高く言う。そんなにも私は暮れそうな嫡男、いや、嫡女であっただろうか。もちもちと柔らかくやめる敬具のビルマが、果てる前に消えなければ。景色は先ほどフェードによって薄ら笑っていた。はやくあげよう、あげよう、あげてしまおう、そうせねば。
「何してるの」
妹があんぐり口を開けて私を見つめる。ひいふっと音を立てて私の指をすり抜ける料理。
がちゃ、というノイズとともに私は8000円使った。
「また」
妹は目の前でとろけた大金にはあまり気を示さず床に戻った。母も起きてきたようだったが生き霊の様相だった。気遣いか、と舌打ちチッチ。
真新しい夢遊病だった。両親はそういったし唐芋の会社が作っている病院もそういった。それに、私の眺める違法薬物の紛い物はみな一概に「distraction」に執着して終着するものばかりだった。だからだろうか、私の惑血は笑顔を作らないのだ。作れないのだ。金属音は嫌いな人がいる、それもわからなくなってしまうくらいに血に乗っ取られるのだ。飽くなきマインドコントロールの成果は一瞬にして現れ、感動の茶菓子も口に入れる前に崩れて風になってPM2.5とさして変わらなくなった。
「早いとこ治さなくては」
先に生まれたひとは、年長をやる気で包んでぎゅーぎゅーしつこく触らせる。あんまりにややっこしくてまどろっこしくてぐにゃぐにゃの発酵臓器の針はぐちんと限界を示す。
「どうしたらいいんです」
「できるだけ深く」
深かったって、私は耳抜きの方法を知らない。「知らないように」出来てしまったのだ。無知を神が定めたのだ。
「眠ることですね」
私だって、ティピカルなHomo sapiensのように目を閉じれば行き先はタルトであって欲しい。ただただ運命は残酷に脳の休暇を脳の仕事および全身に関しても最大の修行にしてくる。どうせブラック企業さ、誰か提訴してくれ。私は涙を拭かなかった。